オンライン商談で販路拡大!製造業のための国内営業改革

「移動時間ゼロ」の営業はできていますか?

新規開拓や既存顧客のフォローのために、何時間もかけて取引先へ出向く――そんな営業スタイルが当たり前になっていませんか?

製造業では、「現物を見せないと伝わらない」「対面のほうが関係を築きやすい」と考え、オンライン商談を積極的に使っていない会社もあります。

確かに、製品や工場を実際に見てもらうことが重要な商談もあります。

一方で、すべての打ち合わせを訪問で行う必要はありません。

結論として、製造業のオンライン商談では、対面営業をすべて置き換えるのではなく、オンラインと対面を商談の段階に応じて使い分けることがポイントです。

初回の情報交換、仕様の確認、提案内容の説明、既存顧客との定期的な打ち合わせなどをオンラインにすることで、営業できる地域を広げながら、移動時間や交通費を抑えることができます。

オンライン商談だけでは販路は広がらない

注意したいのは、オンライン商談を始めるだけでは新しい顧客が増えるわけではないことです。

オンライン商談は、あくまで「顧客と商談する方法」の一つです。

新規顧客を開拓するには、Webサイト、展示会、商談会、紹介、工場見学などを通じて見込み客との接点をつくり、その後の商談へつなげる必要があります。

中小製造業では、まず「誰に自社の技術を知ってほしいのか」「その顧客に何を伝えるのか」を整理することが重要です。

そのうえで、オンライン商談を営業プロセスのどこで使うのかを考えます。

製造業では対面とオンラインを使い分ける

オンライン商談に向いているのは、初回の顔合わせ、ニーズの確認、図面や仕様の打ち合わせ、見積内容の説明、既存顧客との定期的な情報交換などです。

一方、製品を実際に手に取ってもらいたい場合や、製造設備・品質管理の状況を見てもらうことが重要な場合は、訪問や工場見学のほうが適しています。

たとえば、

オンラインで初回商談 → サンプル送付 → 詳細打ち合わせ → 必要に応じて訪問・工場見学

という進め方も考えられます。

「オンラインか対面か」の二者択一ではなく、商談の目的に応じて組み合わせることが、中小製造業には現実的です。

オンライン商談を成功させる5つの工夫

1.製品や技術を伝える材料を事前に準備する

製造業では、言葉だけでは技術や製品の特徴が伝わりにくいことがあります。

製品写真、加工動画、図面、3Dモデル、会社案内など、画面共有できる資料を準備しておきます。

必要であれば、サンプル品を事前に送っておく方法もあります。

重要なのは、資料を増やすことではありません。相手が何を確認したいのかを考え、それを伝えられる材料を用意することです。

2.オンラインで済ませる商談を決める

すべての商談をオンラインにする必要はありません。

最初の情報交換や仕様確認はオンライン、現物確認や重要な最終打ち合わせは対面など、自社なりの使い分けを決めておきます。

既存顧客との定期的な打ち合わせの一部をオンラインに切り替えることも、始めやすい方法です。

3.商談に集中できる環境を整える

オンライン商談では、通信環境だけでなく、音声や照明も相手の印象を左右します。

高価な設備をそろえる必要はありませんが、雑音が少なく、顔や資料が見やすい場所を確保します。

工場内から設備や製品を見せる場合は、通信状態や映像・音声を事前に確認しておきましょう。

4.商談後のフォローを早くする

オンライン商談は終了すると、そのまま接点が途切れやすいという面があります。

商談後は、話した内容、次に確認すること、追加資料などを整理して早めに連絡します。

必要に応じて、サンプルやカタログを送付し、次の打ち合わせにつなげます。

オンライン商談そのものよりも、商談後に次の行動が決まっているかが重要です。

5.商談内容を社内に残す

誰と、いつ、何を話し、相手が何を求めていたのかを記録します。

必ずしも最初からCRMなどの専用システムを導入する必要はありません。

Excelや既存の顧客管理方法でも構わないので、担当者だけが情報を持つ状態を避け、次の営業活動に使えるようにします。

オンライン化をきっかけに、商談の進め方や顧客情報の管理方法を標準化できれば、営業活動そのものの改善にもつながります。

まずは既存顧客との商談から始める

オンライン商談を導入すること自体が目的ではありません。

目的は、距離や時間に制約されず顧客との接点を増やし、自社の技術や価値を必要とする企業との商談機会を広げることです。

まずは、関係のできている既存顧客との打ち合わせの一部をオンラインにしてみるとよいでしょう。

そこで、資料の見せ方、音声や通信環境、商談後のフォローなど、自社なりの進め方を整えていきます。

その経験を、新しい見込み客との商談にも活かします。

中小製造業では、営業担当者や経営者の時間も限られています。だからこそ、訪問するべき商談とオンラインで進められる商談を分け、限られた営業資源を有効に使うことが重要です。

オンライン商談をきっかけに、自社の営業活動全体を一度見直してみてはいかがでしょうか。