リピートはあるのに新規が増えない──顧客獲得の停滞に悩む現場
「満足度は高いのに、新規のお客様がなかなか来ない」
そう悩むサービス業の現場は少なくありません。リピート率には手応えがあるものの、集客が伸びず、売上も頭打ち。紹介も自然発生に頼りきりで、新しい顧客層の開拓ができていない──そんな現状に心当たりはないでしょうか?
強みが伝わっていない──選ばれにくい理由の共通点
技術力や接客品質が高くても、それが「伝わらない」状態では、お客様の選択肢にすら入りません。
とくに、地域密着型のサービス業では、以下のような課題が目立ちます。
- よくある問題点:
- どんな特徴・得意分野があるのかが発信されていない
- 予約サイトやSNSのプロフィールが曖昧・更新されていない
- ホームページが存在していても「どこも同じ」に見える
- 顧客の声や実績が掲載されておらず、信頼の裏付けが弱い
さらに、新規顧客と既存顧客の割合を数値で把握していないために、対策の効果検証ができないまま時間だけが過ぎてしまうケースも少なくありません。
「選ばれる理由」を明確にする情報設計のポイント
大切なのは、自社のサービスが「誰に」「どんな価値を」提供しているのかを明確にし、それを一貫したメッセージで伝えることです。
- ターゲットと価値を言語化する
- 「30代・忙しいビジネスパーソンに短時間で整うサービス」
- 「初めての人にもわかりやすい説明と安心感」
- といった形で、自社の価値を具体化する
- SNSやWebでの見せ方を整える
- プロフィールやキャッチコピーをターゲット視点で作成
- ビフォーアフター、導入事例、実績など“成果”が見える投稿
- 検索時に目にとまる写真と文言を意識
- 数値で把握し、仮説検証のPDCAを回す
- 新規来店数、リピート率を月ごとに可視化
- アンケートやヒアリングで来店動機を把握
- 試した施策の反応を確認し、次に活かす
選ばれ方を変えた実例──小さな美容室の変化
ベッドタウンにある美容室では、以前は「丁寧な対応」が口コミで評価されながらも、新規来店は月に数人程度。
そこでまず、「癖毛に悩む女性向けの“再現性重視カット”」を打ち出し、プロフィール文を刷新。
Instagramではビフォーアフター写真と、お客様の声を投稿。さらに「なぜこの提案をしたか?」を一言添えることで信頼感を演出しました。
その結果、4か月で新規来店が月平均2倍以上に増加。
来店動機として「Instagramを見て」「特徴が自分に合っていた」という声が増え、ターゲット層が明確になったことで施策の精度も上がっています。
まとめ──選ばれるには「選ばれる理由」の設計から
サービスの品質だけでは、お客様には選ばれません。
まずは自社の強みと価値を言語化し、伝える導線を整えることが不可欠です。
そのうえで、新規と既存の数を定点で観察し、施策の効果を確認する体制をつくりましょう。
選ばれることは、偶然ではなく「設計」できます。
明日からできる小さな見直しが、未来の安定した集客につながります。