個性的な商品なのに売れない──手応えのないネット集客の悩み
「手作り雑貨は写真じゃ伝わらない」「ECサイトはハードルが高い」──
そんな理由で、ネットでの販売や集客に踏み出せない小規模小売店は少なくありません。
ただ、実際には「売れない」のではなく、「伝わっていない」ことが原因である場合が多いのです。
共感を得られず埋もれてしまう──よくある発信の失敗例
雑貨店の魅力は、商品そのものの「世界観」や「ストーリー」にあります。
しかし、次のような発信では、その良さがうまく伝わりません。
ありがちな発信例:
- 商品の“スペック紹介”に終始してしまう
- 背景や使い方の情報がない
- 更新頻度が低く、「動きがない店」と見られてしまう
- 写真が暗い・統一感がない・サイズ感が伝わらない
また、ネット活用=ECサイト構築と捉え、「うちは難しい」と諦めてしまうケースもあります。
「共感されるお店」になるための情報発信のコツ
無理にECサイトを立ち上げなくても、SNSや無料の販売ツールを活用すれば、十分に発信・販売は可能です。
大切なのは「モノの魅力」ではなく「想い」や「使うシーン」を伝える視点です。
- SNSでは「共感」を最優先に
- 「商品が生まれるまで」「どんなお客様が買ってくれたか」を物語として投稿
- 写真だけでなく、短い動画(リール)で使い方・手触り・サイズ感を補足
- 投稿に一貫した世界観を持たせ、ブランド感を醸成
- 店主の想いや日常も発信に含める
- 制作の裏側や失敗談、こだわりのエピソードは読者との距離を縮める要素に
- 店舗での会話、イベント出店の風景なども「人柄」を伝える武器になる
- 無理のないネット販売導入
- BASEやSTORESなどの無料ツールで小さく始める
- LINE公式アカウントやInstagramからのDM注文でも立派な“販売チャネル”
発信の工夫がファンを生む──手作りアクセ店の成功例
姫路市の小規模雑貨店では、Instagramを主軸に週1本の動画を投稿。
「今日はどんな気持ちでこのピアスを作ったのか?」という語りと、制作シーンの動画を発信することで、視聴者の共感を得ました。
結果としてフォロワーは1年で約4倍に増加し、ECサイトの開設前からDM注文が相次ぐようになりました。
また、購入者の声を再投稿することで「自分も使ってみたい」と思わせる好循環が生まれています。
まとめ──モノではなく「思い」に共感が集まる時代
「売れない」のではなく「伝わっていない」。
商品そのものではなく、その背景や使う場面に共感を呼ぶ情報発信が、今の小規模事業者に求められています。
まずは、自分のお客様はどんな人なのか、どんな場面で商品を手に取ってほしいのかを整理し、それを一つずつ言葉や写真、動画で届けていきましょう。
売るための第一歩は、「知ってもらうこと」「好きになってもらうこと」からです。